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<国勢調査>650億円投入も、拒否続出 時代にそぐわず

 1日に実施された国勢調査の評判が散々だ。「面会できない」と調査員が嘆く一方、住民の間では「何で詳しく調べられるのか」と不満が募る。650億円を投入した5年に1度の国勢調査は時代の変化に合わなくなっている。【野島康祐】 埼玉県川口市の男性調査員(63)は、自宅周辺の49世帯に調査票を配布した。しかし、明らかな居留守や不在、オートロックのため集合住宅に入れないなどで「配布作業も大変なうえ、実際に回収できたのは22世帯」だった。会えなかった残り27世帯には、「ご在宅の日時をご連絡いただければ受け取りにうかがいます」と書いたメモを郵便受けなどに入れたが、連絡があったのは1世帯だけ。 あるマンションでは管理人に「せめて、入居者の名前だけでも教えてほしい」と頼んだが、「プライバシーの侵害になる。教えられない」と断られた。この調査員は5年前の国勢調査も担当したが、その時は対象の35世帯から相当数の回収ができた。 「調査員の成り手がいないと町会長に頼まれてやってきたが、相手にたどり着くことがますます困難になった。朝から夜まで回っても協力が得られない。もうこりごりだ」。調査票の回収期限は10日だが、調査員は5日から残り世帯の回収作業を放棄した。 一方、調査の仕方を問題にする声も多い。東京都杉並区のアパートに1人暮らしの女性会社員(26)。今月1日にカンボジアから帰国し、調査票の封筒の中にあったメモを見て驚いた。「10月1日 海外旅行」と書いてあった。調査員が備忘録として書いたメモを誤って封筒に入れたようだ。「出国前、同じアパートの友人に旅行に行くことを伝えていた。調査員が友人から聞いたのだと思うけど、自分のプライバシーが知らないところで人づてに流れることは絶対いや。調査票は自宅に置いたままにしている」と憤慨する。 調査票を回収できない世帯について、自治体側は調査員に対して世帯員数、氏名、男女別の3項目について、近隣の住人などから聞いて報告するよう求めている。だが、勝手に調べられることへの抵抗感は強い。 調査票の記載項目には、世帯主と家族の氏名のほか、就業先の会社・事業所名、仕事の内容、住居の床面積などもある。東京都八王子市で6人暮らしの男性弁護士(41)は「最近は(町中で)アンケートを求められても、余計なことは書かないようにしようという気持ちが強い。なぜ会社名を書かなきゃいけないのか不安を感じる。必要性や合理性があるのだろうか」と首をかしげる。 就業先については戦後毎回、床面積も90年の調査から入っている。総務省統計局は職業欄について「職業構造の実態を把握し、雇用政策に生かすため」、床面積も「地域別の住宅政策や地域開発に不可欠」と説明するが、プライバシー保護意識の高まりと調査内容とのギャップは広がるばかりだ。 さらに、調査員を装って調査票をだまし取る事件が全国的に多発しているほか、調査員を名乗って家に入り現金65万円を奪う(大阪府堺市)といった犯罪も起きた。最近は、悪質リフォームなど訪問販売への警戒心も高まり、調査員の訪問調査を難しくしている。 国勢調査で調査票の未回収率は95年0.45%だったのが00年は1.7%に増加。今回はさらに増えることは間違いなさそうだ。 民間団体「国勢調査の見直しを求める会」共同代表の白石孝さんは「統計調査としての国勢調査は非常に重要だ。しかし、すべての項目を全戸調査で行うことは難しい時代になった。特に都市部で、性犯罪を恐れる若い女性など単身世帯の警戒感は高まっている。職業や住宅面積の調査は、国勢調査ではなく、別の抽出調査を代用すればいい」と話している。

コメント:
個人情報を取得するには企業側が合理的な説明ができないものは難しいでしょうな。
個人情報保護法施行以前からこういうことは言われていたので危機感のある企業は対策を探ってたけどそういう思考のない企業は今後どうすんのかなぁ?

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