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Showing posts from February, 2005

119番 声が出せない急患「受話器たたいて答えて」 東京消防庁ナイスプレー

これぞプロ! 119番 声が出せない急患「受話器たたいて答えて」 東京消防庁ナイスプレー 機転を利かせセーフ 東京都内のアパートで突然、脳梗塞(こうそく)を発症し、声がでなくなった男性(57)から119番通報を受けた東京消防庁の職員(39)が、機転を利かせてアパートを割り出して、男性を救出した。男性の命をつないだのは、モールス信号ならぬ、受話器をたたく「トン、トン、トン」という音だった。東京消防庁には救急車を求める119番通報が1日約1900件あるが、職員は「無言の叫び」を聞き逃さなかった。  一一九番を受信する総合指令室に男性から通報があったのは十三日午後七時二十分過ぎ。「救急…」と、かすかな声が聞こえたが、荒い息とともに、まもなく言葉が途絶えた。 固定電話だと、発信元を逆探知して救助に向かえるが、男性の通報は携帯電話。「これは緊急事態だ」と察知した職員は「合っていれば、受話器をたたいて」と男性に呼びかけて二十三区名を順に読み上げたところ、十三番目の練馬区で「トン、トン」と応答があった。職員はこの手順で町名や番地、アパートの部屋番号までを特定し、救急車を向かわせた。 駆け付けた救急隊員が、玄関先で携帯を握ったまま倒れていた男性を発見。男性は一命を取り留めた。  京都市では平成十二年、脳梗塞で倒れた男性が二十回も一一九番通報したのに、意識が混濁し声を出せなかったことから、消防局が「いたずら電話」と判断。男性を二日間放置した。男性はその後、慰謝料を求める訴えを起こし、京都地裁が「いたずらを前提とした消防局の対応は不法行為にあたる」と、市に慰謝料の支払いを命じた。  東京消防庁によると、救急車を求める一一九番通報は昨年一年間で七十万二千三百件。一日あたり約千九百件の計算になる。火災を知らせる一一九番通報やいたずらもあり、総合指令室は忙しいが、同庁は「通報者のかすかな異変にとことんまで確認するよう指導しているのが功を奏した」としている。